育成会長 岡田芳明(教会委員長)

私どもボーイスカウト藤沢16団は、1974年(昭和49年)4月、育成母体のカトリック藤沢教会主任司祭ブランチフィールド神父(コロンバン会)の願い-<少年達が信者未信者を問わずに、神とのつながりを失わず、健全に活動し遊びながらお互いのつながりを通して友情を深め、心の豊かな人間、よい社会人として育っていくこと>-に、教会信徒・スカウト指導者・保護者が共鳴して発団しました。

 当初カブスカウト17名、隊指導者5名、団委員3名、計25名から始まった団は、ボーイ隊、シニア隊、ローバーを登録して7年間で総勢70名を超えるまでに成長し、日本ジャンボリー、カトリックキャンポリーにも参加しキリスト教章を授与されるスカウトも出るようになりました。

この最初の10年間の基礎固めの上に、スカウトや指導者に国際色豊かなメンバーを迎え、教会前庭での餅つき、スカウトバザーも定着しましたが、指導者の考え方の違いから、カブ隊がゼロとなる事態となり、当時の平岡団委員長が「団家族」の大切さを強調されて、困難を乗り越え、発団25年を迎えました。

私はこの頃、大阪からの転居に伴い、二人の息子がカトリック団大阪122団から転団して、長男がカブ隊、次男は隊登録したてのビーバー隊に所属したことをきっかけに、妻がカブ隊副長、そして団委員、私は団委員、続いてビーバー隊副長・隊長を務め、その後、副団委員長、団委員長を経て、育成会長となり25年間奉仕させていただくこととなりました。

 この間、隊指導者、団委員、保護者の皆様が、奉仕の心で団・隊運営に関わってくださったお蔭で、また藤沢教会の代々の主任司祭・助任司祭、信徒の皆様がよき理解者として支援してくださったお蔭で、スカウト達は安心して育ち、信徒非信徒を問わず、キリスト教章取得などを通して、前々任の清水団委員長の口癖の「神へのつとめ、人へのつとめ、自分へのつとめを果たすこと」をそれぞれが考え、よき社会人へと巣立っていきました。また2009年には、同じ藤沢教会を育成母体として、ガールスカウト神奈川105団も発団し、主要行事を共催して助け合っています。

このような家庭的雰囲気に魅かれて、家族ぐるみで入団いただく方も多く、現在スカウト28名(ビーバー3名、カブ10名、ボーイ7名、ベンチャー8名)、指導者12名、団委員5名の計45名と平均以下の規模ではありますが、少子化の中でも「身の丈サイズ」で安定的に推移してきました。

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本日50周年を迎え、今後に向けて、私が隊・団の指導者として、忘れず大切にしてきたことを3つ申し上げたいと思います。

①カトリックスカウト団であること

2006年、当時日本全国のカトリックスカウト団の集まりJCCS担当司教の梅村司教様(横浜教区長)からの求めを受けて、私たち横浜教区支部が案をつくり、日本の司教団に承認いただいた「カトリック教会付属のスカウト団としての自己点検評価基準」。これはミサ式次第の15ページにございます。

当団はこの基準8項目を満たすよう取り組んできました。具体的には、団委員・隊指導者がカトリック団であることを忘れず、主イエスが示された神の無償無条件の愛と、それに応える喜びをより深く知るよう教会行事や研修に参加すること、そして保護者のご理解を得て、スカウト達に信徒かどうかに関係なく、活動時の祈りやミサへの参加を通して、またJCCSの友団とともにキリスト教章取得プログラムを主催して、彼ら彼女らの信仰心を育ててきました。その甲斐あって本日のミサでもスカウト達が先唱、侍者、朗読、聖歌、奉納、共同祈願を担当してくれています。

これこそが私たちの存在意義・パーパス、まさに50年前にブランチフィールド神父様たちが願っていたことであり、これを見失ったら団として存続する意味はありません。

②藤沢教会の一員であること

ここ数年で横浜の2つのカトリック団が離脱や廃団となりました。一方で昨年、藤沢16団のスカウト6名が韓国での世界ジャンボリーに参加しましたが、その際、藤沢教会から温かい支援をいただきました。横浜教区で最大、日本でも10番以内の信徒数の藤沢教会の「伝える力を育てる部門」の一員として認めていただいているからこそ実現したことです。これからも藤沢教会とのつながりを大切に、教会の皆様からの物心両面のご支援への感謝の心を忘れず、教会活動に奉仕し、国籍や文化などのバックグラウンドを問わず、教会共同体の子どもたちの育成に関わっていくことが、団の持続的発展の鍵となるでしょう。私は現在藤沢教会の教会委員長を兼ねており、より一層つながりを深めてまいります。

③ボーイスカウト湘南地区の一員であること

ボーイスカウト神奈川連盟の中で湘南地区は最も小さな地区ですが、相模湾と谷戸の地形の穏やかな自然に恵まれ、そこに根を下ろした役員・指導者の温かな雰囲気の中で、私たちは地区・県連とつながっています。指導者養成やジャンボリー派遣などでいただいている恩恵を忘れず、地区行事に積極的に参加し、運営に奉仕するのは引き続き大切な務めです。

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これら3つのこと、カトリックスカウト団、藤沢教会の一員、湘南地区の一員であることを忘れなければ、今後75周年、100周年を迎えることも夢ではないでしょう。今ここにいる若い指導者、スカウト達、これから入団してくる子供たちに、その夢を託します。

そして、50周年を機に藤沢16団OB・OG組織「(仮称)光の路会」を発足させていただきます。元スカウト・元指導者には、16団を共に見守り応援していただければ幸いです。

最後に、このミサを司式いただいたキジト神父様と、ご参列の皆様はじめ、50年間に関わってくださった多くの方々の働きに心より感謝し、神様の恵みを願い、そして、これから関わってくださる方々、子供たちに、神様の豊かな祝福があることを願い、挨拶とさせていただきます。

本日はどうもありがとうございました。

(参考)カトリック教会所属のスカウト団としての「自己点検評価基準」

     (2006年7月6日、日本カトリック司教協議会定例常任司教委員会承認)

①団の育成団体がカトリック教会であり、主任司祭や教会委員会との連携が図られていること。

②団としてカトリックスカウト協議会に所属していること。

③カトリックの精神に基づく指導・団運営が団規約、入団案内等に明記され、入団説明会、育成会総会等でも説明されていること。

④団委員長、団委員、並びに隊指導者が、カトリックの精神を尊重し、他の隊指導者やスカウトに対してその精神に基づき指導、助言ができる人であること。また、カトリックスカウト協議会や団のカトリック指導者研修に参加していること。

⑤所属スカウトがカトリックの精神を尊重し、その精神に基づく指導を受け入れ、自らも積極的に取り組むこと。

⑥所属スカウトの保護者がカトリックの精神を尊重し、その精神に基づく指導を承諾し、協力すること。

⑦団、隊の活動の全領域で、カトリックの精神に基づく指導が行われること。すなわち、スカウトの年齢に応じて、ミサ等の教会活動への参加、活動時の祈りの実践、キリスト教章等カトリックの精神の修得が着実に行われるとともに、神、他者、自分へのつとめを果たすように、また大自然の中で神を知るように、活動プログラムが整えられること。

⑧カトリック信者のスカウトのミサへの参加、初聖体・堅信等の信仰教育への参加を極力優先して、団・隊活動が行われること。

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